ストレッチを正しく、安全に行うには/吉祥寺・神保町(御茶ノ水)にあるスポーツクラブ・ジムのレプレ

LEPRE式カラダ辞典

効果的なストレッチとは?

協力(提携先):医療法人社団ひのき会証クリニック・株式会社マメキカク

「ストレッチング」とは、その名の通り「stretch:伸ばす」という行為です。
日本では「ストレッチ」という名称が一般的ですが、正しい英語表現は、他動詞の「stretch(ストレッチ)」を名詞形にした「stretching(ストレッチング)」となります。
従って、ストレッチもストレッチングも、日本では同じです。

ストレッチの目的を考える

ストレッチには「身体が柔らかくなる」とか「筋肉痛を和らげる」いった漠然としたイメージがありますが、そもそもストレッチを行なう目的は、
正常な関節可動域と関節周囲の軟部組織の可動性を獲得すること
にあります。これらの獲得によってはじめて、下記のようなメリットが得られます。

  1. 柔軟な関節は、より大きな可動域で動くことができるため、これによって身体の能力が改善される。
  2. 損傷の危険率が減少する。
  3. 運動後の筋痛がある程度軽減される。
  4. 姿勢が改善される。

悪い姿勢はいろいろな体部位の不適切な位置と重心の影響が長年つづいたことによって起こりますが、ストレッチ体操をすると軟部組織が再調整(体の部位が、本来定められた形に配列されていること)されて、姿勢が改善されるというわけです。(アライメントの向上)

なお、一言で「ストレッチ」と言っても、いくつかの種類があり、多くの人にとって最もよいのは静的ストレッチとされています。
これは、痛みではなく、わずかに不快に感じる(筋肉の硬い部分に出くわす)程度まで筋を伸ばし、そのまま約30秒間保持する方法です。(90秒という意見もあります)

より効果的なストレッチのために

ところで、冷えた状態の筋をストレッチしても高い効果は得られないことをご存知でしょうか。
ストレッチは筋組織の温度を上げてゆっくりと弱い負荷で行うのがもっともよく、冷えた状態の筋を無理に動かすことは、逆に負傷を引き起こす可能性さえあるのです。これは筋を包み込んでいる「筋膜」の特徴に理由があります。

筋膜は弾性繊維(エラスチン線維)とコラーゲン線維からできています。非常に強度のある組織ですが、基本的に柔軟性がありません。
しかし、コラーゲンはゼラチン状をしており、温まると液体状になるという特徴を持っています。
コラーゲン線維が温められた状態では、より安全にストレッチを行うことができるというわけです。
準備運動のことを「ウォームアップ」ということがありますが、これはまさにここからきています。運動の前にストレッチングを行う人が多いですが、重要なのはストレッチングの前にウォームアップを行なうことです。

ちなみに、ホットパックや超音波のように外からの熱源を利用して筋を温める方法がよく用いられますが、10分間程度の筋収縮を行うことも筋の温度を上げる良い方法です。筋の深部を温め、また筋全体を温めるには、軽い運動(ウォーキング、ジョギング、軽い水泳、軽い有酸素運動など)を用いる方がむしろ手っ取り早いかもしれません。

安全にストレッチを行うために

柔軟性には個人差がありますが、その人の柔軟性は、骨格と、骨格を支える靭帯の長さで決まります。
ストレッチをすると身体が柔らかくなる…なんて言いますが、ストレッチングには靭帯を伸ばし、筋肉をリラックスさせる効果があるため、その結果柔軟性が増すのです。

ところが、無理なストレッチングは「伸張反射」という現象が起きてしまいます。
伸長反射とは、筋肉を急速に伸ばした時に、反射的にもとの長さに戻ろうとする働きのことです。伸ばされた筋肉は、伸ばされたゴムのようなものなので、引っ張る力がなくなったとたん、当然元の長さに戻ろうとします。そのため、急に力を入れて筋肉を引っ張ったり、不快でない程度にであっても、弾みを付けてストレッチングをすると、効果が得られないどころか、筋肉が反射的に硬くなってしまうことがあるのです。

意外に難しい、正しいストレッチ

ウォームアップによって筋を温めたり、また、落ち着いて感覚を研ぎすませ、筋肉がリラックスできたが判断をするのは、自分では難しいものです。
さらに正しいやり方でストレッチできているかどうかの判断も同じです。
時間をかけ一生懸命にやっても効果が得られないどころか、マイナスになっていては、悲しい上に身体に傷害がでてきます。
ストレッチには良い指導者が必要なのです。