ふくらはぎが第2の心臓と言われる理由は?パーソナルトレーニングのレプレ/吉祥寺・神保町(御茶ノ水)

LEPRE式カラダ辞典

ふくらはぎは第2の心臓?

協力(提携先):医療法人社団ひのき会証クリニック・株式会社マメキカク

血栓と塞栓って何?

正常な組織には、絶えず適切な血液の供給が不可欠です。

通常順調に流れている血液は固まりませんが、
何らかの理由(静脈弁の不然や脱水、血管の圧迫など)で血流がゆっくりとなったり、乱流となったりする部位では、
その部位の血液凝固因子の濃度が上昇し、血液を凝固し易くします。
動脈硬化、障害、感染などによって血管内皮がザラザラ(血管の炎症など)になると、血塊形成がさらに起こりやすくなります。
すなわちザラザラな面に血小板がより接着しやすくなるということです。

この血液が凝塊したものを血栓といい、動脈でも静脈でも形成されます。
外傷を受けてない血管内での血液凝固は血栓症といわれます。

血栓ができるとどうなるの?

実はこの血栓、毎日多数形成されているのですが、健康な人では抗凝固物質や線維素溶解の働きで溶解されているのです。
解けずに残ってしまうと、血流路の狭窄や閉塞が起こるので、
酸素や栄養素が末端の組織に供給されなくなり、組織障害を起こし、より重症の場合には破壊されてしまいます。

また、解けずに残って、それがその部位から剥がれて、血中に流れて、他の血管に運ばれ、離れたところの血管を閉塞させることがあります。これを塞栓といいます。
塞栓は、動脈壁中のアテロームのプラークから生じた脂質や、コレステロール結晶、骨折時に血液循環に入った骨髄脂肪、気泡や羊水などといったさまざまなものによって生じます。
当然、塞栓は血管が狭窄したり分枝したりしている部位に詰まりやすく、その及ぼす影響は、血栓、塞栓の起きた場所によって異なります。

  • 脳の血管に運ばれると脳卒中をおこし、
  • 心臓で起これば、心筋収縮の低下が起こり、最終的には心筋の壊死(梗塞)を招き、心筋梗塞を起こします。
  • 肺に到達すると肺組織への酸素供給を絶ち、また肺循環系での酸素の取り込みを減少させ、息苦しさや胸の痛みに襲われます。これは肺血栓塞栓症といわれます。

血栓が原因で起こる症状1エコノミー症候群

血栓は身体のどこでも生じうるが、主に下肢と骨盤内で起こります。
下肢に起こる血栓としてよく知られているのは、深部静脈血栓症(DVT)、いわゆるエコノミークラス症候群です。
エコノミークラス症候群といわれていますが、実際は日常生活の中かで起こることが多く、時には死亡する人もいます。
血流が筋収縮にある程度依存している下肢や下半身の深部静脈に起こりやすいのです。

血液を下半身から心臓に押し戻すポンプ作用を骨格筋ポンプといい、静脈血を心臓方向へ動かす骨格筋の収縮をミルキングといいます。
ふくらはぎが第二の心臓と言われる由縁です。
したがって、動かずにいるとき、(筋肉が動かないとき、弛緩しているとき)は血液が、足に滞りがちになり、血栓で足の静脈がつまり易くなります。
下肢で生じた血栓は静脈系から右心に到達し、その後肺動脈を通って肺に到達し、肺塞栓症を引き起こします。
この状態になる患者は、年間1万人を超えると推計されています。

深部静脈血栓症の症状は、下肢の圧痛、疼痛、膨張と、明らかな静脈のうっ血(青く見えます)、むくみや痛みが出ます。
血栓性静脈炎の場合は赤くはれて激しく痛みます。
症状は多くは片足に出ます。このような症状が出た場合は診察を受けてください。治療は血栓溶解剤が使用されています。

血栓が原因で起こる症状2静脈瘤

もう1つ臨床的によく起こる静脈性疾患として静脈瘤があります。
静脈瘤は、通常、下肢の表在静脈に生じ、静脈の拡張と蛇行の連続として観察され、美容的に悩んでいる方も多いと思います。
これは、深在性と表在性の静脈の間の静脈弁が機能しなくなった為起こるもので、
一時的な場合もあり(例 妊娠時に下肢の静脈圧が上昇して生じることもある)、慢性的な場合は遺伝性の場合もあります。

血栓の予防

では、予防はどのようにしたらよいでしょうか?

適度な運動を行なうことです。飛行機の中など狭い空間ではマッサージも効果的です。最近は弾性ストッキングなどもあります。
お年寄りなどで、寒いからといって厚着をし(脱水になる)、椅子に座ったまま何時間もじっとしていたり、長時間の乗り物による移動時は、
心がけて筋肉を動かして血液を循環させるようにしてください。

定期的な運動は、血圧を低下させ、不安や抑うつ気分を減少させることにも役立つし、
体重をコントロールし、さらに血栓を溶解する能力の増強する(血流をよくし血栓をつくりにくくする)ことにも役立ちます。