私たちの体の中の腸内フローラ|レプレ式カラダ辞典

LEPRE式カラダ辞典

腸内フローラの働き

協力(提携先):医療法人社団ひのき会証クリニック・株式会社マメキカク

腸内フローラの働き

腸内フローラの働き

腸内細菌は私たちが食べたものを分解し、それを食べて(栄養にして、エネルギーとして)生きているのですが、
その時に様々な物質を放出します。
この物質が私たちの体にとって重要な働きをしているのです。

現在までに腸内細菌が出す物質が、数多く発見されています。
そうした物質が様々な効果をもたらしているのです。
その効果は肥満予防だけでなく、老化防止、薄毛予防、糖尿病予防、貧血予防、血栓予防、アレルギー予防など、様々です。

腸内フローラの恩恵1美容(しわ予防)

腸内細菌が放出する物質の一つに女性ホルモンに似たエクオールという物質があります。
肌の張りを保つコラーゲンを増やし、更年期の顔の火照りの軽減、骨密度の増加が期待できます。

腸内フローラの恩恵2糖尿病

糖尿病は血糖値の調節に欠かせないインスリンがでにくくなる病気です。
近年、糖尿病の原因として腸内細菌がつくる短鎖脂肪酸が関係していることがわかってきました。
短鎖脂肪酸が減るとインスリンの量も減ってしまうのです。

インスリンの量を増やすためには短鎖脂肪酸を出す菌を増やす必要があります。
そのために、腸内細菌のエネルギーとなる食物繊維やポリフェノールなどを摂取するという全く新しい考え方が提唱され始めています。

腸内フローラの恩恵3がん

アリアケ菌

最近、癌を引き起こす腸内細菌の新種「アリアケ菌」が発見されました。
このアリアケ菌はDCAという物質を出します。
DCAはヒトの細胞に作用して、細胞の老化を引き起こします。
老化した細胞は発ガン物質をまきちらし周囲に癌をつくるのです。(2013年 サイエンス誌)

肥満になるとアリアケ菌が大幅に増えます。
以前から、大腸がんは太った人に多いと言われていました。(因みに大腸がんは女性の死亡原因の第一位です。)
肥満はがんを誘発するといわれていましたが、ちゃんとした原因はわかっていなかったので、
これは肥満が癌に関係していることを示す重要な発見です。
同時に、腸内細菌はがんの原因の一つということになります。 そして、腸内細菌をコントロールすることががん予防になるということでもあります。
その他にも、日本人の腸内からナッツ菌という菌が発見されました。この菌は前立腺がんの予防効果が期待されています。

癌は予防が大事です。癌になってからでは、治療にコストもかかりますし、死亡率もまだまだ高いです。
生活環境を変える、病気の予防に力を発揮する可能性がある腸内細菌を変化させる、などで予防することが大切です。

腸内フローラの恩恵4うつ病などの心の病

これまで、性格の違いやコミュニケーション能力の違いは遺伝子の違いと考えられていました。
しかし、これに腸内細菌も関係している(脳と腸の関係)という論文がここ2.3年立て続けに発表されています。

腸の神経は1億個。その数は脳に次いで人体で2番目に多く、腸管神経系とよばれています。
腸内細菌が作る物質の中には神経細胞を刺激するものが数多くあります。
その電気信号が脳にいくわけですが、これらは感情などに影響を与えると考えられます。
うつ病の改善も腸内細菌を変えることで何割かは改善するのではないかと期待されているのです。