消化管抑制ポリペプチドの分泌でエネルギー摂取を抑える/肥満予防は食事と運動が効果的/トレーニングジム レプレ/吉祥寺・神保町(御茶ノ水)

LEPRE式カラダ辞典

油ものが腹持ちのいい理由

協力(提携先):医療法人社団ひのき会証クリニック・株式会社マメキカク

消化管抑制ポリペプチド

胃や腸は消化器官ですが、内分泌器官としてもはたらいて様々なホルモンを分泌します。
ガストリンやモチリンといった胃酸の分泌や腸の蠕動運動を促して、消化・吸収を助けてくれます。
これとは逆に胃酸の分泌を抑制するホルモンもあり「消化管抑制ポリペプチド」といわれます。

消化管抑制ポリペプチドは、脂肪が膵液リパーゼによって分解されて小腸から吸収されたときに十二指腸から分泌されます。
おそらく、エネルギーの大きな脂質を摂取したということが信号となって、
消化活動を減速し余分なエネルギー摂取を抑えるはたらきをしていると思われます。
その為、脂質の多い食物の腹もちがよいのはこの仕組みが影響をしていると予想されます。

また、同様に栄養が小腸から吸収されたときに、脳の視床下部がはたらいて食欲を抑えるPYY3-36というホルモンが分泌されることもわかってきています。

消化管抑制ポリペプチドやPYY3-36は余計なエネルギー摂取を避け
肥満を予防する「満腹ホルモン」としてはたらくものと思われます。
それでも脂肪がついてくると脂肪細胞からレプチンが分泌され、摂食中枢にはたらいて食欲をおさえるという機能もあります。

ここで間違ってはいけないのは、脂質の多いものが肥満を予防してくれているのではなく、
脂質が多いものを摂るとカラダではこのようなしくみがはたらいて余計なエネルギー摂取を抑えようとしているということです。
大量に摂れば摂るほど摂取エネルギーが過剰になることに変わりはありません

※蠕動運動・・・消化管などの臓器の収縮運動のこと。食べたものを移動させる役割で、食道から直腸までの運動をいいます。

資料:究極のトレーニング 最新スポーツ生理学と効率的カラダづくり 石井直方